識別のための祈り


20世紀アメリカのプロテスタント神学者であり、政治的にも影響力のあった
ラインホルド・ニーバー師(Reinhold Niebuhr, 1892〜1971)の作とされる
有名な祈りです。

「識別」とは、悩みの中、苦境の中にあって、何が神のみ旨であるのか
祈りのうちに見きわめることです。

この祈りには、さまざまな日本語訳がありますが、
わかりやすい日本語訳を採用しました。



識別のための祈り

神よ、わたしたちに、
変えるべきものについて、それを変える勇気を、
変えることのできないものについては、
      それを受け入れる冷静さを、
そして、変えるべきものと変えることのできないものを
      識別する知恵を、お与えください。

(もとの英語版)


The Serenity Prayer

O God,
give us serenity to accept what cannot be changed,
       courage to change what should be changed,
       and wisdom to distinguish the one from the other.


おそらくこれがオリジナルの英文と考えられています。
しかし、人々の口をとおして伝わっていくうちに、すこし語句が変わり、
いくつかの違う形でも唱えられています。

たとえば:


God, grant me the serenity to accept the things I cannot change;
      courage to change the things I can;
      and wisdom to know the difference.

あるいは:


God, give us grace to accept with serenity the things that cannot be changed,
      courage to change the things that should be changed,
      and the wisdom to distinguish the one from the other.


このニーバーの「識別のための祈り」はとても短く、
日々の黙想に適したものであり、
また、苦境にある人、転機に立っている人に、大きな力となるものでした。
第二次世界大戦中には一部の兵士たちの間で唱えられ、
また、アルコール依存症に苦しむ人たちの集いの祈りに採用されるなどして、
しだいに世に広く知られるようになりました。






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